北欧(フィンランド、スウェーデン、ノルウェー)やバルト海に面する小国(ラトヴィア、エストニア、リトワニア)などは、その国土の半分以上が美しい(常緑樹の)森林に覆われている。今夏は、ラトヴィアの首都(リーガ)を初めて訪れ、その郊外にある「シグルダ」≪Sigulda≫ という古い町(リーガから汽車やバスで一時間ほどでたどり着ける)に広がる美しい森と丘陵で、いわゆる森林浴と日光浴を一日中楽しむ機会を得た。シグルダ行きのバスには東洋人らしい中年の女性が独り乗り合わせていた。そこで、彼女と偶然(?)シグルダ駅から川沿いに下る長い道のりを一緒に散策する機会も得た。「日本人ですか?」と私が尋ねると、「実は中国人です」という答えが彼女から返ってきた (もっとも、女性の英語には、中国人特有の訛りが全くない。だから、欧米に長らく暮らしている人に違いない)。というわけで、手持ちの案内書「バルトの国々」(地球の歩き方シリーズ) を彼女に読ませてあげる機会を、残念ながら失ったが、代わりにガウヤ下流に広がる(杉林や白樺の生い茂る)森や小高い丘に残る中世時代の古城を、(ガイド気取りで?)丁寧に案内して回る機会を得た。
ラトヴィアは豊かな平野に恵まれ、海にも近いので、山の幸と海の幸ともに恵まれ、特に野菜、果物、酪農品、各種のパン類がとても安く手に入る。さらに交通費が日本国内に比べて半額だから、遠出が比較的しやすい。流通貨幣は今年一杯は従来通り独自の貨幣[ラット]を使用しているが、来年からEU諸国共通のユーロが使えるようになるので、買い物もいっそう便利になる。さらに、英語がどこでも通じるので、会話にも不便を全く感じさせない。従って、森林浴など[命の洗濯]を楽しむ観光客が今後ますます増えるだろう。
リーガ駅のすぐ近くに、町の台所を支える巨大な市場がある。この中央市場は、5つの巨大なドーム(かまぼこ兵舎)の中にある。20世紀初頭に建てられたもので、実は当時ラトヴィア領内にあったドイツのツェッペリン飛行船の格納庫が移築されたといわれている。毎朝7時半にオープン、午後5時に閉店する。天気の良い日には、ドームの外にも、露天の花屋や青物市場が開店し、さらに賑わいを添える。
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