2008年12月13日土曜日

ピューリッツァー賞に輝く労作「Team of Rivals」
(by Dorris Goodwin)

「奴隷解放」をめぐって米国が真っ2つ(南北)に分かれて、血みどろな内戦を
くり広げている時期に、共和党のリンカーン大統領は、敢えて自分のライバル
(政敵)を4人も「挙国一致内閣」の重責に採用して、その大危機をみごとに乗
り越えた: スタントン(国防長官)、シーワード(国務長官)、チェイス(財
務長官)、ベイツ(法務長官)。リンカーンは、明らかに自分と意見を異にする優秀な
人材を説得かつ抜擢して、その稀れにみる英知、偉大な包容力と手腕を発揮して、
(黒人)奴隷制の廃止を成功させ、南部をついに降服させ、南北戦争をも終結させた。

この140年前の歴史的な英断のおかげで今年、米国に黒人系初の大統領オバマ
が誕生した。奇しくも、オバマの地盤 (シカゴのスプリングフィールド) は、リ
ンカーンの地盤でもあった。オバマは先達の英知にならって、彼自身の内閣にも、
「昔の政敵」を何人か採用して、現在の世界的な危機(経済危機、環境危機)を
乗り越えようとしている: ジョン・バイデン (副大統領)、ヒラリー・クリントン
(国務長官)、ロバート・ゲイツ (国防長官)など。

言うなればドリス・グッドウインの千ページ近くに及ぶ労作「政敵を重用するチームづくり」
は、オバマ内閣づくりの「聖書」になりつつある。偉大な大統領リンカーンの伝記は
数限り無いが、彼の内閣について、これほど詳しく触れた本は、これまでになかっ
た。もし、民主党が日本でも政権を取るような機会が近い将来やってきたら、こ
のリンカーンの英知を採用して、挙国一致内閣を組織して、国民の生活を真に向
上させる政治を本気にやってもらいたいと、私は切に念願している。

小沢代表のいわゆる「大連立政権」(単なる「ごちゃ混ぜ」) 構想ではない!
真に 「適材適所」の人事が必須だ!

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